「悲愴」聴き比べ
私の所属するフライハイト交響楽団では、次のコンサートでチャイコフスキーの交響曲第6番「悲愴」を取り上げることとなっており、私はホルンの4thを吹きます。なぜ4thかというと、どうしても4楽章の最後(トロンボーンのコラールの前)のゲシュトップを決めて自己満足したかったので(もう1曲の乗り番である白鳥の湖の1stがとてもキツイという要因もあり)。あと、この演奏会の悲愴で特筆すべきは1楽章のAlegro vivoの前のppppppを楽譜指定どおりFgで演奏すること(大抵音量コントロールの問題でバスクラで演奏)。という訳で、我が家の「悲愴」のCDを聴き比べてみました。
日時:2005年7月23日(土)18:30開演
会場:すみだトリフォーニーホール
指揮:森口 真司
曲目:チャイコフスキー/交響曲第6番「悲愴」
チャイコフスキー/白鳥の湖(全曲からの抜粋版)
チャイコフスキー/イタリア奇想曲
日時:2005年7月23日(土)18:30開演
会場:すみだトリフォーニーホール
指揮:森口 真司
曲目:チャイコフスキー/交響曲第6番「悲愴」
チャイコフスキー/白鳥の湖(全曲からの抜粋版)
チャイコフスキー/イタリア奇想曲
ムラヴィンスキー指揮 レニングラード交響楽団(ブログ内リンク)
いわずと知れたこの曲の定番。すでに上記リンク先で紹介済みだが、改めて聴いても「悲愴」を堪能させてくれました。特に1楽章Allegro Vivoからコーダまで、完璧なアンサンブルと相まって鳥肌モノ。またレニングラードはいわゆる強力な金管のことに言及されることが多いですが、実は弦楽器セクションが素晴らしいと思っています。4楽章をあの早目のテンポの中で歌いきれるテクニックは凄い。
自分で演奏すると言うことで、すべての刷り込みを排除して改めて演奏者の観点で聞いてみると次のようなことが分かります。
・楽譜に書いていない細かいアゴーギグ・デュナーミクが意外に多い
有名な1楽章第2主題は速度記号を発想記号?として捉えており必ずしもritenutoしていない。また同じく第2主題、アウフタクト抜かして2小節目の2分音符に、楽譜にないデュナーミクをつけいている。また同M付近など特に指定はないが、一度テンポを落としてアチェルランドしている。2楽章のD(con dolcessa e flebile)はテンポを落とすものだと刷り込まれていたが、改めてスコアを見るなんの速度記号もなし。
・楽譜の改変を発見!
1楽章Q付近で1,3番ホルンに音が足されている!2,4番はスコア上も音があるのでスコアのほうのミスかもしれないが。
・ゲシュトップは分厚い弦楽器の陰に(泣
ちなみにゲシュトップとはホルンのベルを支えている右手で閉塞し、金属音を出す奏法で、悲愴はゲシュトップ史上最も壮絶な表情をこめられたひとつだと思っています。ちなみにこの演奏、その後のトロンボーンのコラールはとても素晴らしいです。
それはともかく結論として万人を満足させる、ちょい厳しめの味付けの悲愴と思います。
なお、ムラヴィンスキーの悲愴の紹介とこの曲が書かれた背景について「切腹させられたチャイコフスキー」で紹介されています。よかったらご参照下さい。
カラヤン指揮 ベルリンフィルハーモニー管弦楽団
20世紀の最高の指揮者の一人であるカラヤンが何回も録音し直しこだわった「悲愴」。さて1976年録音のこの演奏だが、オーケストラという形態の合奏の究極の姿だと思う。とにかくすべての楽器が明るい響きでコントロールされ切っており、その音の放射を浴びるだけで感動を呼ぶうえに(音響浴?)、カラヤンの息の長いレガートのフレージング、解釈も最高で、この曲に対する思い入れを感じます。
1楽章の再現部前、練習記号QからR前後の金管の響き、そしてその直後のフォーグラーのティンパニの一撃には演奏者として理想の、一発の音だけで観客を泣かせるとはどういうことか、という問題に対する答えがあります。2楽章の5/4拍子のワルツなどまさに夢見心地な音色。そして弦楽器の艶っぽいがわざとらしくないポルタメントが素晴らしい!4楽章のppの美学というべき音色と流れはすでに彼岸を感じさ、チャイコフスキーのまさに白鳥の歌だということを実感させてくれます。
ムラヴィンスキーとは違い、かなり楽譜に忠実だがやはり1楽章第2主題を中心にいろいろやっている。第2主題提示部の後のModerato Mossoは指定のテンポよりもだいぶ遅く始め、Fのあとクラリネットの下降形が出たあたりで指定外のアチェルダンド。2楽章はほぼインテンポ。あとびっくりしたのが3楽章でTpが行進曲のテーマをヴァイオリンとユニゾンに改変していること(ソ レッレ ソ レ ソ「レ」の最後のレは記譜は下がるが、上げている)。
最後にホルンだが、ハウプトマンらしき素晴らしい音を頂点に、他の演奏には絶対にありえない、ここぞという時に存在感を示す爆裂2,4番ホルンがオーケストラのホルンセクションとしての理想形を見せる。ゲシュトップも突き抜けるわけではないが、一気に駆け抜けようとするカラヤンの要求によく答えており完璧。1,3番のオクターブ上が途中で一瞬入るのがこれほど効果的に演奏されているのは聴いたことがない。。
(amazon.co.jpで購入)
バーンスタイン指揮 ニューヨークフィルハーモニック
恐らく賛否が分かれる演奏。そしてバーンスタインファンには堪らない一枚。思い入れたっぷりの「バーンスタインの悲愴」。まず書いておかなくてはならないのは演奏時間。4楽章が!なんとムラヴィンスキーの倍近くかかってます。人によってはアウトなテンポでしょうが、私は大好きだったりします。
ムラヴィンスキー:17:38 8:04 8:19 9:45
カラヤン :18:31 9:09 8:34 9:59
バーンスタイン :22:34 8:29 9:52 17:12←
ゲルギエフ :20:15 7:33 8:27 11:39
チェリビダッケ :25:12 8:38 10:39 13:10
そんなバーンスタインの解釈ですが、実はイメージよりはかなり楽譜に忠実。1楽章第2主題に頻出するritenutoをrit.ではなくその通りにやってます。ただしメトロノーム記号は無視(笑)あと、これとチェリビダッケのみが、Allegro vivo前のクラリネットからバスクラへの受け渡しをpppppからppppppへのdim.で処理しています。おそらく奏者の都合に合わせず、指示を出したと思われます。
また1楽章Allegro vivoをMのテンポを意識して開始しインテンポ、練習記号PでPiu Mossoというのは、かなり独特の解釈。QからRはアレッシ率いる最強NYフィルトロンボーン軍団が凄い!Rでのマーラーの5番の1楽章葬送行進曲の最後を思い起こさせるピッチカートの表現は、マーラー指揮者バーンスタインの面目躍如。2楽章は付点の処理が特徴的で今回比較した中で一番夢心地な印象。3楽章はNYフィル最強金管軍団が余裕を持って完璧に処理。そのせいもあり非常に丁寧な印象です。
問題の4楽章は、実は非常に考えられた構成で、最初インテンポ、後半でありとあらゆる手管を使い盛り上げていきます。Sol-Gの使い方や、消え入るようなppppはマーラーの9番を想起させます。
最後にホルンですが、マイヤースが最高!この演奏に関してはスミス(Tp)ではなく彼が金管を引っ張ってます。バーンスタインNYの演奏を聞くといつも思うのですが、マイヤースの息の長さがあってのバーンスタインの解釈だなと。ゲシュトップはむちゃくちゃ聴こえます。どうやって吹いているのか訳が分かりません。ベルの薄いシュミットだからできるのか?
だらだら書いてますが、この演奏の素晴らしさをもっと簡潔にまとめているのが蔵吉さんのブログ。是非ご参照を。
(amazon.co.jpで購入)
ゲルギエフ指揮 キーロフ管弦楽団
現代最高のマエストロ、ゲルギエフの悲愴。凝縮した緊張感と思い切ったオケのドライブは彼ならではのもの。キャラクターの変化のさせかたも流石。1楽章Qの弦楽器など時たま現れる彼にしか出せない壮絶としか表現できない音色には悪魔的なものを感じさせられます。また、2楽章のまさにチャイコフスキーのワルツといった愉しく流れるような表現は特に素晴らしく、さすがはバレエ音楽の名作「くるみ割り人形」や「ロミオとジュリエット」の名演コンビだと思わせます。3楽章もカラヤン番と並び一番勝利の行進感が出てるエネルギー溢れる演奏だと思います。そういえばゲルギエフはカラヤンコンクールで世に出たんですよね。
そんなキーロフのオケはかなりイイ線いってます。特にヴィオラがブラボー。木管も上手で特にフルートはまさにスタープレーヤーといった感じですし、クラリネットもかなりいい味出してます。しかし金管と低弦に若干の穴あり。低弦のユニゾンで若干ピッチが不安定なのと、1楽章で一番盛り上がっているところのトロンボーンのピッチが最初からはまらず、常にピッチを合わせにいってるのが分かってしまうのが致命的。とはいえ、オケが崩壊すれすれになってまで一丸になってゲルギエフの要求に答えているという点では、例えば安定したNYフィルにはない魅力があります。4楽章なんか相当テンポ動かしてますがホルンの3連符はきわどくもよくついていってます。あの訳分からんブルブル指揮につけるホルン奏者は本当に凄い。
ちなみに今回の比較の中で一番新しい録音で、音質は他とは一線を画します。
演奏から受けるイメージは人それぞれだと思います。この演奏については「椀方のリスニングルーム」さんでも取り上げられていますので、ぜひこちらも参照してください。
(amazon.co.jpで購入)
チェリビダッケ指揮 ミュンヘンフィルハーモニー管弦楽団
まさに奇跡的演奏。ミュンヘンフィルの南欧的明るい音色を基調とし、そのままスコアを起こせる透明感と極上のバランスを保ち、スコアにあらん限りのことを語らせる悲愴の伝道師チェリビダッケ、そんなイメージ。1楽章と4楽章は特に凄く、これ以上の演奏はありえないと思われる。1楽章がソナタ形式であることを強烈に意識させる第1主題と第2主題の対比がそのままチャイコフスキーの感情に繋げている点など、まさに天才の所業。ただし3楽章はちょっと遅すぎて私にとってはアウト。これだけが玉に瑕か。
かなり楽譜に忠実であるが、4楽章最後のコントラバスパートにティンパニを重ねる改変を行ってます。
いかにこの演奏が素晴らしいか、ぶらーぼぉさんのページでも紹介されていますので、興味をもたれた方は是非ご参照を。
(amazon.co.jpで購入)
(7/17追記)
アバド指揮 シカゴ交響楽団
1楽章の展開部、ホルンの三連符のところは指定に無いrit.をしている以外、物凄く楽譜に忠実で1楽章の第2主題など、そのあっさり具合にびっくりしてしまう。メンゲルベルクとムラヴィンスキーの影響を脱した新世代の演奏と言えよう。
シカゴだけあって金管は強力であるが、すべてを余裕を持って処理しており、その余裕さ加減が私は実は気に食わなかったりする。2楽章や4楽章など、歌わせるメロディーはとても流麗で綺麗であり、その独特の新しい解釈と共に一聴の価値はあると思う。
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いわずと知れたこの曲の定番。すでに上記リンク先で紹介済みだが、改めて聴いても「悲愴」を堪能させてくれました。特に1楽章Allegro Vivoからコーダまで、完璧なアンサンブルと相まって鳥肌モノ。またレニングラードはいわゆる強力な金管のことに言及されることが多いですが、実は弦楽器セクションが素晴らしいと思っています。4楽章をあの早目のテンポの中で歌いきれるテクニックは凄い。
自分で演奏すると言うことで、すべての刷り込みを排除して改めて演奏者の観点で聞いてみると次のようなことが分かります。
・楽譜に書いていない細かいアゴーギグ・デュナーミクが意外に多い
有名な1楽章第2主題は速度記号を発想記号?として捉えており必ずしもritenutoしていない。また同じく第2主題、アウフタクト抜かして2小節目の2分音符に、楽譜にないデュナーミクをつけいている。また同M付近など特に指定はないが、一度テンポを落としてアチェルランドしている。2楽章のD(con dolcessa e flebile)はテンポを落とすものだと刷り込まれていたが、改めてスコアを見るなんの速度記号もなし。
・楽譜の改変を発見!
1楽章Q付近で1,3番ホルンに音が足されている!2,4番はスコア上も音があるのでスコアのほうのミスかもしれないが。
・ゲシュトップは分厚い弦楽器の陰に(泣
ちなみにゲシュトップとはホルンのベルを支えている右手で閉塞し、金属音を出す奏法で、悲愴はゲシュトップ史上最も壮絶な表情をこめられたひとつだと思っています。ちなみにこの演奏、その後のトロンボーンのコラールはとても素晴らしいです。
それはともかく結論として万人を満足させる、ちょい厳しめの味付けの悲愴と思います。
なお、ムラヴィンスキーの悲愴の紹介とこの曲が書かれた背景について「切腹させられたチャイコフスキー」で紹介されています。よかったらご参照下さい。
カラヤン指揮 ベルリンフィルハーモニー管弦楽団
20世紀の最高の指揮者の一人であるカラヤンが何回も録音し直しこだわった「悲愴」。さて1976年録音のこの演奏だが、オーケストラという形態の合奏の究極の姿だと思う。とにかくすべての楽器が明るい響きでコントロールされ切っており、その音の放射を浴びるだけで感動を呼ぶうえに(音響浴?)、カラヤンの息の長いレガートのフレージング、解釈も最高で、この曲に対する思い入れを感じます。
1楽章の再現部前、練習記号QからR前後の金管の響き、そしてその直後のフォーグラーのティンパニの一撃には演奏者として理想の、一発の音だけで観客を泣かせるとはどういうことか、という問題に対する答えがあります。2楽章の5/4拍子のワルツなどまさに夢見心地な音色。そして弦楽器の艶っぽいがわざとらしくないポルタメントが素晴らしい!4楽章のppの美学というべき音色と流れはすでに彼岸を感じさ、チャイコフスキーのまさに白鳥の歌だということを実感させてくれます。
ムラヴィンスキーとは違い、かなり楽譜に忠実だがやはり1楽章第2主題を中心にいろいろやっている。第2主題提示部の後のModerato Mossoは指定のテンポよりもだいぶ遅く始め、Fのあとクラリネットの下降形が出たあたりで指定外のアチェルダンド。2楽章はほぼインテンポ。あとびっくりしたのが3楽章でTpが行進曲のテーマをヴァイオリンとユニゾンに改変していること(ソ レッレ ソ レ ソ「レ」の最後のレは記譜は下がるが、上げている)。
最後にホルンだが、ハウプトマンらしき素晴らしい音を頂点に、他の演奏には絶対にありえない、ここぞという時に存在感を示す爆裂2,4番ホルンがオーケストラのホルンセクションとしての理想形を見せる。ゲシュトップも突き抜けるわけではないが、一気に駆け抜けようとするカラヤンの要求によく答えており完璧。1,3番のオクターブ上が途中で一瞬入るのがこれほど効果的に演奏されているのは聴いたことがない。。
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バーンスタイン指揮 ニューヨークフィルハーモニック
恐らく賛否が分かれる演奏。そしてバーンスタインファンには堪らない一枚。思い入れたっぷりの「バーンスタインの悲愴」。まず書いておかなくてはならないのは演奏時間。4楽章が!なんとムラヴィンスキーの倍近くかかってます。人によってはアウトなテンポでしょうが、私は大好きだったりします。
ムラヴィンスキー:17:38 8:04 8:19 9:45
カラヤン :18:31 9:09 8:34 9:59
バーンスタイン :22:34 8:29 9:52 17:12←
ゲルギエフ :20:15 7:33 8:27 11:39
チェリビダッケ :25:12 8:38 10:39 13:10
そんなバーンスタインの解釈ですが、実はイメージよりはかなり楽譜に忠実。1楽章第2主題に頻出するritenutoをrit.ではなくその通りにやってます。ただしメトロノーム記号は無視(笑)あと、これとチェリビダッケのみが、Allegro vivo前のクラリネットからバスクラへの受け渡しをpppppからppppppへのdim.で処理しています。おそらく奏者の都合に合わせず、指示を出したと思われます。
また1楽章Allegro vivoをMのテンポを意識して開始しインテンポ、練習記号PでPiu Mossoというのは、かなり独特の解釈。QからRはアレッシ率いる最強NYフィルトロンボーン軍団が凄い!Rでのマーラーの5番の1楽章葬送行進曲の最後を思い起こさせるピッチカートの表現は、マーラー指揮者バーンスタインの面目躍如。2楽章は付点の処理が特徴的で今回比較した中で一番夢心地な印象。3楽章はNYフィル最強金管軍団が余裕を持って完璧に処理。そのせいもあり非常に丁寧な印象です。
問題の4楽章は、実は非常に考えられた構成で、最初インテンポ、後半でありとあらゆる手管を使い盛り上げていきます。Sol-Gの使い方や、消え入るようなppppはマーラーの9番を想起させます。
最後にホルンですが、マイヤースが最高!この演奏に関してはスミス(Tp)ではなく彼が金管を引っ張ってます。バーンスタインNYの演奏を聞くといつも思うのですが、マイヤースの息の長さがあってのバーンスタインの解釈だなと。ゲシュトップはむちゃくちゃ聴こえます。どうやって吹いているのか訳が分かりません。ベルの薄いシュミットだからできるのか?
だらだら書いてますが、この演奏の素晴らしさをもっと簡潔にまとめているのが蔵吉さんのブログ。是非ご参照を。
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ゲルギエフ指揮 キーロフ管弦楽団
現代最高のマエストロ、ゲルギエフの悲愴。凝縮した緊張感と思い切ったオケのドライブは彼ならではのもの。キャラクターの変化のさせかたも流石。1楽章Qの弦楽器など時たま現れる彼にしか出せない壮絶としか表現できない音色には悪魔的なものを感じさせられます。また、2楽章のまさにチャイコフスキーのワルツといった愉しく流れるような表現は特に素晴らしく、さすがはバレエ音楽の名作「くるみ割り人形」や「ロミオとジュリエット」の名演コンビだと思わせます。3楽章もカラヤン番と並び一番勝利の行進感が出てるエネルギー溢れる演奏だと思います。そういえばゲルギエフはカラヤンコンクールで世に出たんですよね。
そんなキーロフのオケはかなりイイ線いってます。特にヴィオラがブラボー。木管も上手で特にフルートはまさにスタープレーヤーといった感じですし、クラリネットもかなりいい味出してます。しかし金管と低弦に若干の穴あり。低弦のユニゾンで若干ピッチが不安定なのと、1楽章で一番盛り上がっているところのトロンボーンのピッチが最初からはまらず、常にピッチを合わせにいってるのが分かってしまうのが致命的。とはいえ、オケが崩壊すれすれになってまで一丸になってゲルギエフの要求に答えているという点では、例えば安定したNYフィルにはない魅力があります。4楽章なんか相当テンポ動かしてますがホルンの3連符はきわどくもよくついていってます。あの訳分からんブルブル指揮につけるホルン奏者は本当に凄い。
ちなみに今回の比較の中で一番新しい録音で、音質は他とは一線を画します。
演奏から受けるイメージは人それぞれだと思います。この演奏については「椀方のリスニングルーム」さんでも取り上げられていますので、ぜひこちらも参照してください。
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チェリビダッケ指揮 ミュンヘンフィルハーモニー管弦楽団
まさに奇跡的演奏。ミュンヘンフィルの南欧的明るい音色を基調とし、そのままスコアを起こせる透明感と極上のバランスを保ち、スコアにあらん限りのことを語らせる悲愴の伝道師チェリビダッケ、そんなイメージ。1楽章と4楽章は特に凄く、これ以上の演奏はありえないと思われる。1楽章がソナタ形式であることを強烈に意識させる第1主題と第2主題の対比がそのままチャイコフスキーの感情に繋げている点など、まさに天才の所業。ただし3楽章はちょっと遅すぎて私にとってはアウト。これだけが玉に瑕か。
かなり楽譜に忠実であるが、4楽章最後のコントラバスパートにティンパニを重ねる改変を行ってます。
いかにこの演奏が素晴らしいか、ぶらーぼぉさんのページでも紹介されていますので、興味をもたれた方は是非ご参照を。
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(7/17追記)
アバド指揮 シカゴ交響楽団
1楽章の展開部、ホルンの三連符のところは指定に無いrit.をしている以外、物凄く楽譜に忠実で1楽章の第2主題など、そのあっさり具合にびっくりしてしまう。メンゲルベルクとムラヴィンスキーの影響を脱した新世代の演奏と言えよう。
シカゴだけあって金管は強力であるが、すべてを余裕を持って処理しており、その余裕さ加減が私は実は気に食わなかったりする。2楽章や4楽章など、歌わせるメロディーはとても流麗で綺麗であり、その独特の新しい解釈と共に一聴の価値はあると思う。
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Comments
いつも興味深く拝見しております。最近の私は仕事の疲れからかどんどん古い時代に聴く音楽がしう符としておりますが、貴ページを見ては学生時代を思い出しております。
蔵吉さん>
まいどありがとうございます。分析と言うほどのものではなく、思ったことをつらつら書き連ねているだけです。お目汚しスイマセン。。
さすが悲愴に乗るということで熱心に分析なされていますね。tonjiさんの意気込みが伝わってくるかのようです。もし私が東京に住んでいたら、本番を聴きに行っているところなのですが...
バーンスタインは晩年ではチャイコフスキーの他に、マーラー全集の2、3、7でNYフィルを起用していますよね。また聴きたくなってきました。
もっと読み手に訴えられるブログにしていくよう精進いたします。。。
これからもぶらーぼぉ。を宜しくお願い致します。